常野線(烏山駅〜芳賀黒田〜須藤〜茂木駅)

代替路線
烏山町営バス:烏山駅〜市貝温泉センター(烏山駅〜芳賀黒田間)
茂木町営バス:生井薬師堂前〜保険福祉センター(芳賀黒田〜茂木駅)

烏山町営バス
2002.12.15 烏山駅にて撮影
この路線の開業は古く、今から約70年前の193
5(昭和10)年に遡る。当時の国鉄バスの路線
選定基準として、鉄道の「先行・短絡・代行・培
養」の四原則(後に「補完」が加わり5原則)が
挙げられるが、この路線は短絡に該当し烏山自
動車所(後の烏山営業所、現烏山支店)が運行
を担当した。そして国鉄の分割民営化を迎えJR
バス関東の時代になると、「烏山駅 〜 須藤」間
を烏山支店、「須藤 〜 茂木駅」間を宇都宮支
店が分割して担当するようになった。しかし乗客
の減少に歯止めがかからず、1993(平成5)年
5月31日限りで「芳賀黒田 〜 茂木駅」間が足
足先に廃止されてしまった。残った「烏山駅 〜
芳賀黒田」間は烏山支店が運行を続けたが、こ
ちらも残念ながら廃止の日を迎えている。
常野線を辿ったのは、2002(平成14)年12月24
日のことである。馬頭からJRバスに乗車し、JR
東日本烏山線烏山駅に到着すると、駅前に町
営のマイクロバスが一台止まっていた。乗降口
は閉まっていたが、バスに近づき乗る意思を示
すと扉が開いた。先客は地元のご婦人と見受け
られる女性が1人だけ。発車時間になり、乗務
員を含めて3人で出発。出発して少し走るとT字
路にぶつかる。ここを右折すると先刻までいた
馬頭方面だが、我が町営バスはここを左折し茂
木方面に向かう。バスは烏山線をアンダーパス
し立派な国道をひたすら南下していく。所々で拡
幅の改良工事を実施していたが、交通量は非
常に少ない。普通に走ると早着するらしく、要所
要所で時間調整を行ないつつバスは進む。
芳賀黒田地図
芳賀黒田周辺概略地図
芳賀黒田バス停周辺の写真をUP予定
道路の両側には畑や水田が広がるのみで、人
家は少なく人の姿は皆無に近い。停留所の案
内が流れるが、乗車も降車も無くバスは進む。
もっとも乗客が多ければ、JRバスも撤退する事
は無かったわけだが。バスが軽い登り坂にさし
かかると、そこが烏山町と茂木町の町境であっ
た。そのまま坂を下って行くと芳賀黒田の集落
だが、周囲には「貝印」のガススタンドしか無く、
コンビニや万屋といった商店は一見した限りで
は見当たらなかった。‘芳賀黒田’バス停は国
道をそれた畑の中の小道(以前の国道かもしれ
ない)にあり、掘っ立て小屋のような待合室の
軒先にバス停が貼ってある。このバス停、どう
やらJRバス関東のお古を利用したようで、文字
が少し消えかけていた。
ここで烏山から乗車していたご婦人も下車し、
時間調整をおこなっていたバスはお客が0のま
ま発車して行った。茂木町営バスを待っている
と前述のご婦人に話しかけられたが、残念な事
に栃木弁が良く聞き取れなかったのでお愛想の
み返しておく。そうこうするうちに、小学生が大
勢乗車している‘生井薬師堂’行きのバスが到
着した。このバスは‘生井薬師堂’到着後、折り
返し‘茂木’行きになるとの事なので、乗車する
ことにした。かつての常野線のルートに入ると再
び刺激の無い車窓が連続し、思わず舟を漕いで
しまった。気づくとバスは須藤の集落に入ってい
る。かつては乗り継ぎ場所だったので、転回場
の跡を車内から注視したが残念ながら見当たら
なかった。茂木まではあと少しである。
茂木町営バス
2002.12.24 生井薬師堂にて撮影

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