常野線(烏山駅〜芳賀黒田〜須藤〜茂木駅)
代替路線
烏山町営バス:烏山駅〜市貝温泉センター(烏山駅〜芳賀黒田間)
茂木町営バス:生井薬師堂前〜保険福祉センター(芳賀黒田〜茂木駅)
この路線の開業は古く、今から約70年前の193 5(昭和10)年に遡る。当時の国鉄バスの路線 選定基準として、鉄道の「先行・短絡・代行・培 養」の四原則(後に「補完」が加わり5原則)が 挙げられるが、この路線は短絡に該当し烏山自 動車所(後の烏山営業所、現烏山支店)が運行 を担当した。そして国鉄の分割民営化を迎えJR バス関東の時代になると、「烏山駅 〜 須藤」間 を烏山支店、「須藤 〜 茂木駅」間を宇都宮支 店が分割して担当するようになった。しかし乗客 の減少に歯止めがかからず、1993(平成5)年 5月31日限りで「芳賀黒田 〜 茂木駅」間が足 足先に廃止されてしまった。残った「烏山駅 〜 芳賀黒田」間は烏山支店が運行を続けたが、こ ちらも残念ながら廃止の日を迎えている。 |
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常野線を辿ったのは、2002(平成14)年12月24 日のことである。馬頭からJRバスに乗車し、JR 東日本烏山線烏山駅に到着すると、駅前に町 営のマイクロバスが一台止まっていた。乗降口 は閉まっていたが、バスに近づき乗る意思を示 すと扉が開いた。先客は地元のご婦人と見受け られる女性が1人だけ。発車時間になり、乗務 員を含めて3人で出発。出発して少し走るとT字 路にぶつかる。ここを右折すると先刻までいた 馬頭方面だが、我が町営バスはここを左折し茂 木方面に向かう。バスは烏山線をアンダーパス し立派な国道をひたすら南下していく。所々で拡 幅の改良工事を実施していたが、交通量は非 常に少ない。普通に走ると早着するらしく、要所 要所で時間調整を行ないつつバスは進む。 |
芳賀黒田周辺概略地図 |
芳賀黒田バス停周辺の写真をUP予定 |
道路の両側には畑や水田が広がるのみで、人 家は少なく人の姿は皆無に近い。停留所の案 内が流れるが、乗車も降車も無くバスは進む。 もっとも乗客が多ければ、JRバスも撤退する事 は無かったわけだが。バスが軽い登り坂にさし かかると、そこが烏山町と茂木町の町境であっ た。そのまま坂を下って行くと芳賀黒田の集落 だが、周囲には「貝印」のガススタンドしか無く、 コンビニや万屋といった商店は一見した限りで は見当たらなかった。‘芳賀黒田’バス停は国 道をそれた畑の中の小道(以前の国道かもしれ ない)にあり、掘っ立て小屋のような待合室の 軒先にバス停が貼ってある。このバス停、どう やらJRバス関東のお古を利用したようで、文字 が少し消えかけていた。 |
ここで烏山から乗車していたご婦人も下車し、 時間調整をおこなっていたバスはお客が0のま ま発車して行った。茂木町営バスを待っている と前述のご婦人に話しかけられたが、残念な事 に栃木弁が良く聞き取れなかったのでお愛想の み返しておく。そうこうするうちに、小学生が大 勢乗車している‘生井薬師堂’行きのバスが到 着した。このバスは‘生井薬師堂’到着後、折り 返し‘茂木’行きになるとの事なので、乗車する ことにした。かつての常野線のルートに入ると再 び刺激の無い車窓が連続し、思わず舟を漕いで しまった。気づくとバスは須藤の集落に入ってい る。かつては乗り継ぎ場所だったので、転回場 の跡を車内から注視したが残念ながら見当たら なかった。茂木まではあと少しである。 |