2002.9.5 美濃白鳥駅にて撮影 |
2002年9月5日、私は美濃白鳥駅前で無為な
時間を過ごしていた。昨日私は名金線に乗車
した後、向小駄良にある民宿で一夜を過ごし
たのだが、大野線に乗ろうと勢い込んで旅館
を早く立ちすぎたようだ。まあ一日にわずか二
往復しかないので、少々の待ち時間は覚悟の
上だが・・・。大野線は越美南線(現:長良川
鉄道)と越美北線を繋ぐ「代行」の役割を持っ
た路線である。この区間の工事が継続されな
かったのは国鉄時代の財政悪化もあるが、鉄
道が完成してもほとんど利用者がいないのが
一番の理由であり、2002年9月30日でバス路
線自体も廃止される事が決定した。 |
発車時刻5分前に営業所からバスがやって来
た。小振りな中型バスである。乗車したのは
私と旅行者の男性、計二人だけ。この路線は
地元の住民の利用は想定されていないようで
観光シーズンのみの運行である。そのせいか
廃止後の代替運行は行なわれない。偶然、こ
の日の乗客が少なかったのかもしれないが、
この状況では廃止は止むを得ないだろう。悲
しいが企業としては当然の選択である。駅を
出発し、宿泊した向小駄良地区を抜けるとす
ぐに細い上り坂になる。坂の途中の工事現場
では対向車とすれ違うのに数回の切り返しを
要した。坂を上りきると左手から国道が合流
してくる。
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2002.9.5 九頭竜湖駅にて撮影 |
2002.9.5 九頭竜湖駅にて撮影 |
この国道は近年整備されたもので、美濃白鳥
町内からはループ橋で一息にここまで上がっ
てくる。しばらく進むと左手に高速道路かと見
まごう立派な道路が見えてくる。これが油坂峠
道路であり、将来中部縦貫道の一部になる予
定だ。もう少し進み斜面にリフトが現れると油
坂スキーパークだが、残念ながらスキーシー
ズンはバスは運休する。県境が近づくと国道
とは名ばかりのヘロヘロ道になりカーブが連続
する。福井県に入ると左手に九頭竜川が並行
し、キャンプ地が見えてくると九頭竜湖すぐだ。
ほとりに白馬洞という鍾乳洞があったが、2000
年以降は落盤の危険があるため閉鎖され、バ
スの乗り入れも中止されていた。 |
バスは九頭竜ダム・鷲ダムの2つのダムの脇
を通り、和泉村の中心部へ向かう。和泉村役
場を右手に眺めると、恐竜のオブジェが立つ
九頭竜湖駅前に到着する。以前は線名の通り
越前大野まで運行されていたが、現在は廃止
され和泉村営バスが代替運行している(但し、
一日一本九頭竜湖駅から越前大野への片道
運行のみ。しかも冬季運休)。前述の通り、こ
の路線は2002年9月いっぱいで廃止されてし
まったが代替運行は行なわれていない。旧国
鉄越美線、全線開通の日を待つことなく越美
南線が第三セクター化され、未開業部分をつ
なぐバス路線もとうとう廃止の日を迎えた。も
う峠越えのバスは無い・・・。 |
2002.9.5 九頭竜湖駅にて撮影 |
ストラップに付属の記念復刻切符 |
こちらは裏面 |